○国立大学法人福岡教育大学発明規程
(制定 平成21年3月26日)
改正
平成22年7月1日
平成23年3月22日
平成26年12月25日
平成27年3月31日
令和6年3月21日
第1章 総則
(目的)
第1条 この規程は,国立大学法人福岡教育大学(以下「法人」という。)の職員等が行った発明等の取扱について規定し,その発明者等としての権利を保護するとともに,知的財産権の創出,保護及び活用を通して教育研究のより一層の促進を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この規程における用語の意義は,次の各号に定めるところによる。
(1) 「発明等」とは,次に掲げるものをいう。
イ 特許権の対象となる発明
ロ 実用新案権の対象となる考案
ハ 意匠権の対象となる意匠
ニ 商標権の対象となる商標
ホ 回路配置利用権の対象となる回路配置
ヘ 著作権の対象となるプログラム又はデータベース(以下「プログラム等」という。)
ト 育成者権の対象となる植物の品種
チ イからトまでに該当しないもののうち,秘匿することが可能な技術情報その他ノウハウ(以下「ノウハウ等」という。)
(2) 「職員等」とは,次に掲げる者をいう。
イ 法人の就業規則第2条第1項に定める職員及び法人の役員(法人在職中に研究その他の職務(以下「研究等」という。)に基づいて発明等を完成させた後,他の機関に転職し又は退職をした者,及び他の機関に転職し又は退職をした後,法人在職中の研究等に基づいて発明等を行った者を含む。)
ロ 法人の規程に基づき受け入れた各種研究員及びこれに類する者(以下「研究員等」という。)並びに福岡教育大学(以下「本学」という。)の学生のうち,契約等に基づきイに掲げる者と研究等において共同の関係にある者
(3) 「発明者等」とは,発明等を行った職員等をいう。
(4) 「職務発明等」とは,法人が費用その他の支援をして行う研究等,法人が管理する施設若しくは設備を利用して行う研究等,又は公的機関や民間企業等からの資金を得て行う研究等に基づき,職員等が行った発明等であって,当該発明等をするに至った行為が現在又は過去の職務に属するものをいう。ただし,プログラム等の著作については,第4条第1項又は第2項ただし書に該当する場合に限る。
(5) 「知的財産権」とは,次に掲げるものをいう。
イ 特許法(昭和34年法律第121号)に規定する特許権,実用新案法(昭和34年法律第123号)に規定する実用新案権,意匠法(昭和34年法律第125号)に規定する意匠権,商標法(昭和34年法律第127号)に規定する商標権,半導体集積回路の回路配置に関する法律(昭和60年法律第43号)に規定する回路配置利用権,種苗法(平成10年法律第83号)に規定する育成者権及び外国の法令においてこれらの権利に相当するものとして規定する権利
ロ 特許法第33条及び第34条に規定する特許を受ける権利,実用新案法第11条第2項に規定する実用新案登録を受ける権利,意匠法第15条第2項に規定する意匠登録を受ける権利,商標法第13条第2項に規定する商標登録出願により生じた権利,半導体集積回路の回路配置に関する法律に基づき回路配置利用権の設定の登録を受ける権利,種苗法に基づき品種登録を受ける権利並びに外国の法令においてこれらの権利に相当するものとして規定する権利
ハ プログラム等については,著作権法第2条第1項第10号の2及び第10号の3に該当するものとして同法第21条,第23条,第26条,第26条の2及び第26条の3に規定する著作権並びに外国の法令においてこれらの権利に相当するものとして規定する権利
ニ ノウハウ等のうち,財産的価値があり,かつ法人の教育研究上又は運営上特に価値があるとして学長が指定する権利
(6) 「出願等」とは,特許出願,登録出願,又は申請等,知的財産権に関して日本又は外国の法令による保護を受けるために必要となる所定の手続を行うことをいう。
第2章 知的財産権の帰属
(権利の帰属)
第3条 法人は,原則として職務発明等に係る知的財産権の全部又は一部を継承し,所有する。ただし,特別の事情があると学長が認めるときは,職員等に帰属させることができる。
2 職員等が他機関に転職し又は退職をした後に,法人在職中の研究等に基づいて職務発明等を行ったときは,法人と当該職員等又は他機関との協議により,当該発明等に係る知的財産権の帰属を決定する。
3 職員等が法人に在職する以前に所属していた他機関において研究等を開始し,法人在職中に職務発明等を行ったとき(職員等が法人での在職を経て更に他の機関に転職し又は退職をした後に職務発明等を行った場合であって,前項の規定に基づき知的財産権の全部又は一部が法人に帰属する旨の決定があったときを含む。)は,法人と当該職員等又は当該他機関との協議により,当該発明等に係る知的財産権の帰属を決定する。
4 前条第2号ロに規定する研究員等が職務発明等を行ったときは,当該研究員等又はその所属する他機関との協議により,当該発明等に係る知的財産権の帰属を決定する。
5 職員等(前項に基づき知的財産権が法人に帰属しない旨の決定を受けた研究員等を除く。)がこれ以外の者と共同して職務発明等を行ったときは,当該人又はその所属する他機関との協議により,当該発明等に係る知的財産権の帰属を決定する。
6 本学の学生が教員の指導から独立して発明等を行ったときは,次の各号のいずれにも該当する場合を除き,原則として当該学生に知的財産権が帰属する。
(1) 学生が法人の研究室等において行う研究に共同して参画し,又は法人の業務に従事し,これらの結果として発明等を行った場合
(2) あらかじめ法人と学生との間で知的財産権の法人への譲渡及びその対価について合意があり,かつ発明等を行った後に法人と当該学生との間で譲渡契約を締結した場合
(プログラム等に係る権利の帰属)
第4条 プログラム等のうち,法人の発意に基づき職員等が職務上著作し,法人が自己の名義の下に公表するものは,その著作時における契約,就業規則その他に別段の定めがない限り,法人がその知的財産権を所有する。
2 プログラム等のうち,法人の研究経費等若しくは公的機関や民間企業等から支給された研究経費等を使用して行う研究等又は法人の施設若しくは設備を利用して行う研究等の成果として著作したものについては,著作者にその知的財産権が帰属する。ただし,当該著作物について収益事業のため産業利用を図る場合は,法人がその知的財産権の全部又は一部を継承し,これを所有する。
3 前項ただし書の場合において,プログラム等について収益事業のため産業利用を図ろうとする職員等は,次条第1項の届出をしなければならない。
第3章 職務発明等の届出並びに知的財産権の承継,出願等及び返還等
(届出)
第5条 職員等は,職務発明等を行ったと思われるときは,所定の発明等届出書により速やかに学長に届け出なければならない。
2 前項の届出は,当該発明等に係る内容を学術論文等として外部機関に提出し又は公表する前に行わなければならない。ただし,研究上その他やむを得ない事情があるときは,この限りでない。この場合においては,当該事情を前項の発明等届出書に記載しなければならない。
3 第1項の届出において,学術論文等の提出予定又は特許法第30条第1項から第3項までに規定する事情がある場合には,その旨を併せて学長に届け出なければならない。
(知的財産権の承継の決定)
第6条 学長は,前条第1項の届出があったときは,第19条及び第20条に基づいて,当該発明等の職務発明等への該当の有無,法人がその知的財産権を承継することの当否及び第3条第2項から第5項の場合において他機関等と共同して知的財産権を承継したときの持分割合等を決定する。
(出願等)
第7条 学長は,前条の規定に基づき法人が職務発明等に係る知的財産権を承継する旨の決定をしたときは,速やかに出願等の必要な措置を講じ,その適正な管理に努めるものとする。この場合の出願等及び管理に係る経費は,法人が負担する。
2 学長は,前項の出願等の手続が完了したときは,その旨を速やかに当該発明者等に通知しなければならない。
(任意譲渡)
第8条 第5条第1項の届出のあった発明等について,学長が職務発明等に該当しない旨の決定をした場合で,発明者等からその知的財産権を法人に譲渡する申出があったときは,学長は,第19条及び第20条に基づいて,知的財産権の承継の可否を決定する。
2 前項の規定により知的財産権の承継を決定した場合については,前条の規定を準用する。
(譲渡書の提出)
第9条 第5条第1項の届出のあった発明等について,第6条又は前条第1項に基づき法人がその知的財産権を承継する旨の決定をしたときは,発明者等は,所定の権利譲渡書を学長に提出しなければならない。
(制限行為)
第10条 発明者等は,当該発明等について職務発明等に該当せず,又はその知的財産権を承継しない旨の決定を学長がした後でなければ,出願等又は当該発明等に係る知的財産権の譲渡・使用許諾等の処分行為をしてはならない。
(知的財産権の返還及び放棄)
第11条 法人が承継した知的財産権について,学長は,第19条及び第20条に基づいて,一定の期間経過後に改めて再評価を行い,産業界での利用又は活用の見込みがない等の理由により知的財産権を維持する必要がないと判定したものについては,発明者等に当該知的財産権を無償で返還することができる。この場合において,当該発明者等が返還を希望しないときは,知的財産権を放棄することができる。
第4章 補償金
(補償金の支払)
第12条 学長は,第6条又は第7条第1項に基づき法人が知的財産権の承継,出願等又は譲渡・使用許諾等の行使をしたときは,当該発明者等に対し,次の区分に従い別表に定める額の補償金を支払わなければならない。
(1) 法人が知的財産権を承継し,出願等をしたとき 承継時補償金
(2) 法人が承継した特許権若しくは意匠権につき法令に基づき登録等を受けたとき 登録時補償金
(3) 法人が承継した知的財産権の譲渡・使用許諾等の行使により収益を得たとき 収益補償金
(共同発明者等に対する補償)
第13条 前条の補償金は,その支払を受ける権利を有する発明者等が2人以上あるときは,各人の発明等に対する持分の割合に応じて支払う。
(発明者等の死亡)
第14条 前2条の補償金を受ける権利は,これを有する発明者等が死亡したときは,相続人が承継する。
(支払に必要な事項の決定)
第15条 学長は,第12条第3号の収益補償金の額,第13条の支払割合及び前条の相続人への該当の有無その他補償金の支払に必要な事項に関して,第19条及び第20条に基づいて決定する。
第5章 知的財産管理室による審査等
(知的財産管理室の設置)
第16条 法人における知的財産権の創出,保護及び活用を実効性あるものとし,関係する事務を適正かつ迅速に処理するため,知的財産管理室を設置する。
(組織)
第17条 知的財産管理室は,次に掲げる室員をもって組織する。
(1) 研究推進委員会委員長(以下「室長」という。)
(2) 研究推進委員会副委員長(以下「副室長」という。)
(3) 室長が研究推進委員会の委員の中から指名する者 2名
(4) その他必要な場合に室長が職員又は学外者の中から指名する者 若干名
2 前項第4号の室員の任期は,1年とし,再任を妨げない。ただし,欠員が生じた場合の後任者の任期は,前任者の残任期間とする。
(会議)
第18条 知的財産管理室の会議は,室長が招集し,議長となる。
2 副室長は,副議長となり,議長を補佐するとともに,議長に事故あるときは,その職務を代行する。
3 会議は,室員の過半数の出席がなければ,開くことができない。
4 議事は,出席室員の過半数をもって決し,可否同数のときは,議長の決するところによる。
5 会議においては,発明者等その他の関係者に出席を求め,意見等を聴くことができる。
(審査)
第19条 知的財産管理室は,法人による知的財産権の承継,出願等及び返還等に関して,学長からの付託を受け,速やかに次に掲げる事項を会議において審査する。
(1) 第6条に関し次に掲げる事項
イ 発明等の職務発明等への該当の有無
ロ 発明等の技術的評価
ハ 法人による知的財産権の承継の当否
ニ 法人が知的財産権を承継した場合の他機関等との持分割合
(2) 第8条第1項の規定により譲渡の申出を受けた知的財産権を承継することの当否
(3) 第7条第1項及び第8条第2項に基づき法人が出願等を行う場合に必要となる事項
(4) 法人の出願等に係る特許庁における査定その他行政庁の処分に対する不服申立ての当否
(5) 第11条に基づく知的財産権の再評価及びその返還の当否
(6) 第15条に基づき補償金の支払に必要となる事項
(7) 第21条に基づく異議申立ての当否
(8) その他前7号のいずれかと密接に関連する事項
(学長による措置)
第20条 学長は,前条の審査結果に基づいて,知的財産権の承継,出願等及び返還等に関し必要な措置を速やかに決定し,実施するものとする。
2 学長は,前項の決定を行ったときは,その内容及び理由並びに当該決定に対して第21条第1項に基づき異議申立てをなし得ることを発明者等に通知しなければならない。
第6章 異議申立て
(手続)
第21条 発明者等(本条において第14条の相続人及びこれに該当する旨の主張をする者を含む。)は,第20条第1項に基づく学長の決定に異議があるときは,通知を受けた日から2週間以内に書面により学長に異議申立てをすることができる。
2 学長は,前項の異議申立てがあったときは,知的財産管理室の審査により,その当否を判断して速やかに棄却又は認容の決定をしなければならない。
3 知的財産管理室は,前項の審査において,異議申立人に対して意見陳述の機会を与えなければならない。
4 学長は,第2項の規定に基づく決定をしたときは,異議申立人に通知しなければならない。
(効力)
第22条 異議申立ては,前条第2項に基づき認容の決定がない限り,第20条第1項に基づく決定の効力,措置の実行及びその手続を妨げない。
第7章 秘密の保持
(秘密の保持)
第23条 知的財産管理室の室員その他の関係者は,当該発明等の内容等の事項について,必要な期間中(その職務を離れた後を含む。)その秘密を漏らしてはならない。
第8章 雑則
(事務)
第24条 この規程に関する事務は,連携推進課において処理する。
(雑則)
第25条 この規程に定めるもののほか,この規程の実施に関し必要な事項は,学長が別に定める。
附 則
1 この規程は,平成21年4月1日から施行する。
2 国立大学法人福岡教育大学職務発明規程(平成18年3月23日制定)は廃止する。
附 則(平成22年7月1日)
この規程は,平成22年7月1日から施行する。
附 則(平成23年3月22日)
この規程は,平成23年4月1日から施行する。
附 則(平成26年12月25日)
この規程は,平成27年4月1日から施行する。
附 則(平成27年3月31日)
この規程は,平成27年4月1日から施行する。
附 則(令和6年3月21日)
この規程は,令和6年4月1日から施行する。
別表(第12条関係)
 承継時補償金5,000円 
 登録時補償金10,000円 
 収益補償金 
  次の収益実績額の配分率に応じて発明者等に支払う発明者等 50% 
 法人50%